某外資金融のファイナンシャル・プランナー

年末ともなると、忙しい上に年末の挨拶まわりがはじまる。
私は全然忙しくない。

広島出身で、将来地元で農業を企んでいる、某外資金融のＦＰの友達がいる。
彼は、自分のブースで植物を栽培している。
そんな彼と、たまに会って、農業や旅の話をするのが好き。

数回会ったことがある、彼の同僚がいるのだけれど、
急に彼女のオフィスに呼ばれた。
どうしてこの忙しい時に私に会いたいんだろうかと思う。
不思議だなぁ、ま、なんでもいいや、呼ばれているんだからと、行ってみた。

彼女は、とりあえず何かの商品を勧めてきた。
広島クンと私は、ビジネス関係じゃなく、放浪つながりだということを知らないのかも。
私はほとんど興味がないから、彼女が書類を見ている時は、外の景色を眺めていた。

彼女が一通り話し終えると、広島クンの話題になった。
急に元気になる私。
近所の農園を手伝っていることを話すと、彼女も急に興味を持った。

彼女は、無農薬野菜を栽培して食べたいと言った。
マクロビにはまっているけれど、仕事は忙しくていつも外食。
仕事のストレスが多いと言った。（！！）
見ると手肌は荒れ放題。
特番の地球100人村などを見ると、心が痛む。
夫が経済的に貧しい国で、飢餓を撮る仕事をしてきた。
両親を亡くし、昼は砂金を拾い、授業が終わった学校に忍び込み、
黒板を盗み見して勉強している少年に心が痛む。
募金をする。それでいいのか。
幸せとは何か、欲望とは何か、生きるとは何か。
彼女は、これらのことをストレートに聞いてきた。

私は、彼女にどう話せばいいのかわからなかったけれど、
世界には何億通りの生き方があって、その人にとって代わることはできないから、
自分の人生を生きるしかないでしょうか・・・
できるだけ欲望を捨てて、心穏やかに過ごせばいいんじゃないでしょうか・・・
八正道を読まれてはいかがでしょう・・・
などと話すと、今度は宗教のことをいろいろ尋ねてきた。
私が知っているのは基本的に仏教のことですがと簡単に話すと、
それから信仰はどうなのかという話になった。
彼女は、ますます聴いてくるので、
ここ、銀行ですが Church になってますよ、いいですか？
と改めて尋ねるまでになってしまった。

年末大忙しの中、金融商品にちっとも興味を示さない私に、彼女は、
「本日は、お越しいただきありがとうございました！」と大きな声で言ってくれた。
こちらこそ、お時間ありがとうございました。
時間があったら法句経を読んでくださいね、と言って失礼しました。

話を聴くのは簡単だけど、質問に対して答えるのは容易ではない。
私は一体どういう風に答えればいいのだろうか・・・。

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