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ムースに出会う…剝製の。 [和道 Wha-Dho 哲学]

アラスカの写真を撮り続けた星野道夫さんの写真集を見て以来、カリブーとムースに会いたい。

カリブーは、トナカイ、レインディア、アイヌ語では馴鹿(じゅんろく)とも呼ばれ、大きさは80kg から 300kg ほど。季節ごとに数万頭単位で大移動する。その壮大な光景を写真で見たが、規模が大きすぎて、「よくわからないけど、すごい」という単純な言葉しか出てこない。ただ、すごく惹かれる。(日本では、多摩動物園や浜松動物園などで会えるようです)

ムースは、ヘラジカ、エルクとも呼ばれ、角は最大で200cm あり、大きいものになると体重 500kg にもなる。それよりも大きいもの(最大およそ800kg)は、絶滅の危機のある野生動植物のリストに加えられている。ムースも10頭前後の群れを形成し、夏に移動する。(日本では、横浜市立金沢動物園と夢見ヶ崎動物公園で会えるようです。)


先日滞在したニューメキシコ州のキャンディ・キッチンで、たまにムースが出没するという話を聞いた。標高が高く、見渡す限り大草原が広がっているので、現れることが稀にあるらしい。それを聞いた私はもちろん密かに期待してしまったが、やはり現れてはくれなかった。

本物のムースは見れないだろうと諦めていたある日、オハイオ州南部のアウトドアとハンティングの専門店(アウトドアグッズ全般、ジェットボートや猟銃などが販売されている)で、突然ムースのはく製が現れた。それは、エスカレータを上がったすぐ脇に置いてあって、あまりに突然だったので、はじめは目の前の物が何かわからなかった。

その周辺をぐるぐると回りながら、掌のような巨大な角と、巨大な体から判断して、ようやくムースではないかと考えた。考えたが、実物を見たことがないのでわからない。店員さんに聞いてみると、ムースだと教えてくれた。

elk.jpg

その大きさは、まるで小型の象くらいあるかと思われる。顔は見上げないと見れないし、私の身長で背中に触ることも到底無理。このムースが平均的な大きさなのかわからないが、私の目には、本当巨大に映った。大きな身体を美しい脚がすっと支えていたが、この脚で蹴られたら命を失うだろう。

たった一頭のはく製のムースを見ているだけで足がすくんでくる。
アラスカに住むネイティブインディアンは、冬になる前にムースを狩って貯蓄し、それを食糧にして冬を越してきたと聞くが、それを思うだけで私の想像は勝手に膨らむ・・・一人の人間の前に立つ一頭のムース・・・捕えられる一頭のムース・・・その一頭の命により生かされる人々・・・星野道夫さんの伝えたかったことが、ほんの少しだけ現実味を帯びてくるような気がした。



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ところで、星野道夫さんも懸念していた、1920年代からアラスカと政府で議論されてきた天然資源問題。今年(2010年)8月より、アメリカ内務省がアラスカ北東部の石油・天然ガス開発を解禁しました。今回、絶滅の危機がある野生動物が多数棲息する地域は除外されたとのこと。アメリカ滞在中に、アラスカについての意見を数人から聞いたところ、この決定は残念だけれど妥当だという人、最後のフロンティアだったのにと嘆く人、天然資源開発は人間の暮らしにとって必要・・・などでした。

できるだけ自然を保護したいし、代替エネルギーの利用も賛成です。しかし、都会に住んでいる私が「自然破壊反対」と言うのは無責任なことです。もともと自然だった土地に、コンクリートが埋められて、その上に住んでいるのですから。そして、自然が開発されたことで恩恵を受けていることも事実です。

人間は常に発展、前進していく生き物だと思うので、明日から自給自足生活へ転換と言われても、到底無理な話です。そこで忘れてはいけないことは、地球は人間の所有物ではなく、自然界の一部だということでしょう。自然界は人が行う「天然資源開発ミーティング」に参加できません。だから、人間側が自然を敬う心を忘れてはいけないと思います。

人間にのみ利益をもたらす過剰な生産と消費が、それほど必要ではないことに気づけば、行きすぎる自然破壊も落ち着くように思います。(あまりにも勝手をすると、自然災害という形で自然界から注意と警告がおこります。)

どのような生命も、あなたと同じく尊ぶべき存在です[かわいい]





アラスカ・海・イルカの写真を撮られている、加藤文雄さんのブログをご紹介します。素敵な写真がたくさんありますが、こちらのリンクは、アラスカ関係です。アラスカの自然を写真で感じてみてください・・・。
(加藤さん、ありがとうございます[ぴかぴか(新しい)]
http://dolphin.ti-da.net/c96325.html


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