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オーストラリアでとんじんち(貪瞋痴) [和道 Wha-Dho 哲学]

環境が大きく変わる時、身体的・精神的に想像以上の負担がかかるのは自然な流れです。新しい職場、新婚生活、子どもが生まれたり、別離を経験するとき、、、人生そのものがこういった挑戦の連続でしょう。

精神性を意識することがなかった人に、魂の成長に関わる大きな変化が突然やってくると(「意識の目覚め」)、身体と精神が大きく崩れることがあります。身体の不調に蓋をすることに慣れている人は非常に多いのですが、精神はとても繊細で、崩れてしまえば隠すことはできません。無理をしすぎることで、もう一歩も前に進めなくなることもあるでしょう。それは、(意識することはなかったかもしれませんが)自らの行為により、自分自身に与えている経験です。

生きる本質に関わる学びは、いつもそのような大きな「事件」を通して私たちを変化させ、気づきを与えます。私やあなただけの、特別なタイミングで。そういう時は、探しまわってあれもこれも掴むのではなく、やみくもに走るでもなく、心のそわそわを無視するでもなく。この時にこそ、最も静かな行動=瞑想から始めることが鍵となるはずです。

わかります。過去を見れば容易にできたし、自分はできる。そして自分はできることをちゃんと見せたい。自分に対しても、社会に対しても、できると証明したい。でも、できない。今それができないことで、自分だけではなく、誰か大切な人を落胆させ、傷つけることを怖いと思う。でも、できない。できなければできなくて当然なのです、過去の私やあなたはもうどこにも存在しないのだから。

もし今こだわり続けることがあるのなら、それは何でしょう。

「私はどうして、**にひどくこだわるのだろう?
 **を無くすのが怖い?
 どうして、そんなに怖いのだろう。
 それは、人生をかけて守りたいこと?」


このまま現状放置しておけないことを、実はうすうす知っているかもしれません。心の中のひそやかな声は、聴こえないほどの声だからと言って価値の低いものでは決してありません。その声は、あなたの人生を左右する声、人生に関わる叫びであることを、聞き続けている本人が一番わかっているはずです。

しかし、瞑想すると決めても、最初は頭のフル回転が止まりません。目を閉じるとあれやこれやと、明日や昨日の心配ごとがどんどん出てくるはずです。時間が作れないと自分に言い訳を始めるかもしれません。突然座る時間を与えたことで、涙が止まらなかったり、怒りが沸き上がるかもしれません。だからこそ、瞑想を始めることになったのです。もう外部には存在しない、生きるためのヒントを見つけに、静かに向き合うと決めたのです。初めたばかりの心はうるさいのが常です。私もここに書いた通りの状態でした。静けさに居る習慣をつけることで、身体はちゃんと呼吸をすることを思い出し、身体と心の音を聞き、自然の流れに一切を委ね、今まで感じなかったことを経験するようになります。

私たちは「苦しみ」を経験できるよう、肉体ある人間として生まれてきました。なぜ?なぜ「苦しみ」を経験しないといけないのでしょう。生きる幸せや、真の喜びを知るためです。苦しみを経験することで、その真逆とも思える「幸せ」を感じられるようになっています。どの人生も、大いなる意思により「苦しみの経験」がインプットされています。「幸せ」の単独存在はなく、生老病死などの苦しみとセットで存在します。これらは頭では理解できないかもしれませんが、あなたを突き動かす遺伝子はその設計図を知っています。ここで言う遺伝子は、DNA解析とは別の次元の話しです。遺伝子の青写真は、瞑想をすることによって心眼を通して見えるようになるのです。

人生の苦しみにどう向き合うかが、幸せに生きる鍵です。みんな、過去や未来などの実体のないものに執着し、強欲ともいえる私欲を抱き、そして腹を立てたり怒るよう、そのような感情を持つ人間として生まれています。お釈迦さまの説く煩悩、「貪瞋痴(とんじんち)」を乗り越えるために、いまその「大きな出来事」が与えられたとしたらどうでしょう。今、目の前に与えられた課題は、あなたが考える以上に、人生を左右する尊い課題であり、人生をより善く生きる為のまたとないチャンスかもしれません。いのち(生命)の重さを知り、自分と家族や子どもたちを愛し護るような、真の力を養う時があらためて訪れたのかもしれません。


...「その時」はいつも私たちに訪れています。そしてもちろん私たちには選択の自由があります。見えている未来を選びたくないとするならば、未来が見えない新しい道を選ぶのもありです。私も、見えない道に向かって、勇気を持って歩き続ける一人です。歩き続ける先に、必ず光りは見えてきます。
一人にひとつずつの人生。新しい一歩を踏み出したとき、すぐ隣で、勇気とユーモアを持ち、力強く歩みを続ける仲間に出会うでしょう。

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追記:
海外に移住して、家に一人こもりがちで孤独を感じる主婦が多いと聞きました。今、ビザのステイタスにより仕事も通学もできない私が孤独を感じないのは、コミュニティに住んでいることの他に、瞑想をしているからです。
周りに人がどれほど多くいようとも、心を閉ざしてしまえばすぐに孤独は襲ってきます。反対に、周りにどれほどの人がいようとも、その場に意識的に存在することで、静けさを感じます。仮面を脱いで素の自由な自分でいられる鍵は「瞑想」です[かわいい]


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