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バンコクでアマゾンの夕陽に誘われる。残ったのは詩。 [詩・詞]

20歳のころ、冒険家になりたいと言っていた。
みんなそう思っていると思ってたけど、そんな風でもないのかね?

その頃、ある友だちとふとしたことがきっかけ(そもそもきっかけ自体あったかしら)、
バックパックを背負って、1ヶ月の間、韓国、タイ、それからベトナムをまわった。
ベトナムでは、ハノイからサイゴンまで、シンカフェバスで南下した。
(その時ベトナムで大韓航空のサービスが機能しておらず、帰国チケットの手配ができなかった!
 不法滞在となる日の前日、大韓航空のヘッドクオーターとやっとこ連絡がつながり、晴れて帰国。
 自分の思い通りにはことは進まないことを教えてくれるね、旅は。
 いや、逆にそういうことばかり・・・その話はまたいつか。)

その途中、バンコクのユースホステルでのお話。
私たちは、カオサンから徒歩30分の場所にあるユースに泊まった。
入口は細い路地の奥の方にあり、道端にはいつも座っているおじさんやおばさんがいた。
細い路地の反対向こうは大通りで、その向こうには屋台がたち並んでした。
いつもの日常と喧噪のなかにお邪魔した、という雰囲気。

中に入ると、ロビー・・・というものではなく、
だだっ広い板の間があり、天井が高くて、その半分は屋根がなくて空が見えていた。
ちょっと奥に小さな部屋があった。そこに人がいた。
出てきたのは、可愛らしいタイの女の子で、彼女は親切にユースのことを説明してくれた。
私たちはドミトリーを手配していたけど、滞在する人がいないから、
4人のドミ部屋に、2人だけ泊まることになった。

ななめ上方の中二階は、ガラス張りの部屋になっていた。
ここのオーナーのタイ人男性が、NGOのオフィスとして使っていた。
彼はタイ人というよりは、大陸の顔をしていた。わかるかしら・・・

私がある日、外出から戻ってお腹が痛いと言っていたら、
彼は、薬草のようなクリームを持ってきて、塗るようにと置いて行ってくれた。
旅行中の腹痛は日常なので(日本の衛生環境とは違うからね)、気にしていなかったけど、
彼は何か原因があるんじゃないかと心配してくれた。

しばらくして昼寝から目覚めたとき、彼が部屋にやってきて、少し話して言っていいかと聞いた。
私は横になっているだけだし、友だちも部屋に居るから、どうぞって言った。

以前彼は、国連で働いていた。
あるとき、彼はアマゾンの環境プロジェクトに調査行き、自然環境の危機を感じた。
それから何度も政府に提言をし、国連にも強く訴え続けたけれど、
逆に不名誉なレッテルを貼られて、国連を追い出されたのだと話した。

私はその時、一般的に「国際協力」と呼ばれる分野を勉強していて、
卒業したら漠然と、JICAかODA 関係の仕事をしたいと考えていた。
でも、その時は国連や国際機関の大きさなんて、私の頭では想像もできない世界だったし、
だから、私は彼の話していることの、ほんのちょっとしか理解できなかった。
今もわかっていないかもしれないけど。

彼は私たちがユースを去る日に、2人で話したいと言った。
彼は、私の眼をしっかり見て、
「君と僕は、アマゾンの夕陽をみながら、いつか車を走らせる。」と言った。
彼は確かにこういった。
今、ふと書き出して思ったけど、本当にその場面をよく覚えてる。

アマゾンの夕陽とはどれほどのものだろう。
雄大な自然の中にある道とは、力強いのか不安なのか。
その道を夕陽に向かって、車を走らせる。きっと風や光を感じる。
道路の両側は、熱帯雨林の深い森か、果てしない川かもしれない。
どこもかしこも赤い陽で染まり、息ができないほど美しいに違いない。

その瞬間に飛び付いた!?
わけない。
ハタチそこそこのOjo(日本育ちの小娘)が、地球と心の裏側を理解できるわけがない。

逆に、怖くなってしまった。
彼は、どうして私の目の前の道がわかるのだろう?
なんで私は彼とドライブを、しかもアマゾンで夕陽を見ないといけないのだろう?
あぁ、彼の名前も覚えていない。

ユースを去る間際、彼はポストカードをくれた。

アジアの民族衣装を身につけた髪の長い女性が、
ベージュとグレーの淡い色で描かれているポストカード。
耳飾りをつけてゆったりした服を着て、微笑みながら自然の中を歩いてこっちを見ている。
彼女を背景に、ひとつの詩が書かれている。
今まで持っていたのが不思議と言えば不思議だけど。


ANYWAY


People are unreasonable, illogical and self-centered.

Love them anyway.

If you do good, people will accuse you of selfish ulterior motives.

Do good anyway.

If you are successful, you win false friends and true enemies.

Succeed anyway.

The good you do today will be forgotten tomorrrow.

Do good anyway.

Honesty and frankness make you vulnerable.

Be honest and frank anyway.

What you spend years building may be destroyed overnight.

Build anyway.

People really need help but may attack you if you help them.

Help people anyway.

Give the world the best you have and you will get kicked in the teeth.

Give the world the best you have got

ANYWAY.


〔作者不詳〕



人生の『道』って、先にあることよりも、この瞬間に何をしているかが大切なんだ。
そう思ってる時、ふとよみがえった遠い過去の記憶。
心に残る旅は、その時だけのことではなく、大切何かを運んできてくれるのかもしれない。
そしてすべては幻想なのかも・・・。


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アマゾンの夕陽って、きっとこんな感じ・・・


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